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格ゲーウォッチ編集部
SNKの対戦格闘ゲーム『餓狼伝説 City of the Wolves』
について、開発チームが「新しいコンテンツの追加によって、プレイヤーが戻ってきている」と語った。
海外メディア「Esports Insider」が2026年7月8日に公開したインタビューでは、プロデューサーの玉置伸也氏とディレクターの近谷駿斗氏が、本作の発売後に生じた勢いの低下や、現在のアップデート体制、新規プレイヤーに向けた取り組みについて説明している。
発売後にプレイヤーが離れた時期も
『餓狼伝説 CotW』は、1999年発売の『餓狼 MARK OF THE WOLVES』以来、26年ぶりとなるシリーズ最新作として2025年4月に発売された。
発売直後は高額賞金が用意されたEvo 2025の競技タイトルとしても注目され、多くのトッププレイヤーが参戦。しかし、Esports Insiderによると、2026年のEvo Japanの参加者は433人、Evo 2026は444人となり、発売当初ほどの勢いを維持できていない状況も指摘されている。
玉置氏は、発売後しばらく大規模なコンテンツ更新が少なかったことで、一部のプレイヤーが離れてしまったことを認めた。
その理由については、開発体制を最適化するまでに約1年を要したと説明している。
月1キャラクターと同時にステージや調整も追加
現在の『餓狼伝説 CotW』では、シーズン2から毎月1人のペースで新キャラクターが配信されている。
玉置氏は、キャラクターだけでなく、専用ステージや楽曲、新しいゲームプレイ要素、バランス調整なども同時に追加していると説明。その結果について、次のように語った。
“We’ve seen people coming back.”
「プレイヤーが戻ってきているのを確認しています」
発売直後に生まれた話題性だけに頼るのではなく、継続的なアップデートによって、離れていたプレイヤーが再びゲームを起動する理由を作る方針といえる。
シーズン2では、キム・ジェイフン、ナイトメアギース、ブルー・マリー、ヴォルフガング・クラウザー、Mr.カラテ、ケンシロウが順次追加された。
2026年6月29日には『北斗の拳』とのコラボキャラクター「ケンシロウ」が配信され、SNKは同時に、2026年7月からシーズン3を開始することも発表している。
ケンシロウは新規層を呼び込む存在に

開発チームによると、ケンシロウは世界的な知名度を持つだけでなく、『餓狼伝説』の世界観とも相性がよいキャラクターとして選ばれたという。
一方で、原作では相手の秘孔を突いて倒すという強烈な能力を持っているため、その特徴を対戦格闘ゲームとして成立させるには多くの調整が必要だった。
『餓狼伝説 CotW』版のケンシロウは、秘孔を使った状態変化やコンボを組み込んだ、テクニカルで高火力なキャラクターとして設計されている。単なる話題作りのコラボではなく、原作らしさとゲームバランスの両立を目指した形だ。
新作アニメ『北斗の拳 -FIST OF THE NORTH STAR-』との展開も重なっており、これまで『餓狼伝説』に触れてこなかった層を呼び込む役割も期待されている。
「複雑な入力」が格闘ゲームの面白さではない
今回のインタビューでは、新規プレイヤーへの考え方についても語られた。
『餓狼伝説 CotW』には、複雑なコマンド入力を簡略化できる「スマートスタイル」が用意されている。ストーリーモードなど、対人戦以外のコンテンツも新規・カジュアル層に向けた入口として位置付けられている。
近谷氏は格闘ゲームの本質について、じゃんけんを例に挙げながら、入力の難しさが増えてもゲームが面白くなるわけではないと説明した。
“The fun part of fighting games isn’t the complicated inputs.”
「格闘ゲームの面白さは、複雑な入力にあるわけではありません」
相手の行動を読み、それに対して選択肢を出し合う駆け引きこそが、格闘ゲームの面白さであるという考えだ。
ただし、本作はREVゲージやS.P.G.、フェイント、ブレーキングなど、覚える要素が比較的多い。スマートスタイルだけでなく、チュートリアルやトレーニング機能をさらに分かりやすくしていけるかも、新規プレイヤー定着の鍵になりそうだ。
コミュニティの反応
開発側が語った「プレイヤーが戻ってきている」という実感に関連して、海外コミュニティでは『餓狼伝説 CotW』のゲーム性や継続的なアップデートを高く評価する声が見られる。
「操作していて気持ちよく、プレイしていて楽しい」
「ここ20年以上で最高のゲームの一つ」
「毎月キャラクターがアップデートされ、低価格で膨大な量のコンテンツを提供します。」
一方、一度離れたあとに復帰したプレイヤーからは、対戦環境への再適応に苦戦したという投稿も見られた。
「数か月ぶりにCotWへ戻った。ランクマッチに入ってみたら、かなり徹底的にやられてしまった」
また、セールやLegend Editionをきっかけに購入を検討する投稿もあり、コンテンツの拡充が新規購入者の関心につながっている様子もうかがえる。
「買う価値はある? 鉄拳やストリートファイターと比べても、しっかりした格闘ゲーム?」
開発側が語る「プレイヤーが戻ってきている」という実感を示す反応がある一方で、対戦人口の規模や初心者が入りやすい環境については、引き続き課題として意識されている。
編集部の見方
『餓狼伝説 CotW』は、発売直後の注目度をそのまま維持できた作品とは言いにくい。
開発側もアップデートが停滞した時期を認めており、「プレイヤーが戻ってきている」という発言についても、具体的な同時接続者数や復帰率が公開されたわけではない。そのため、現段階では本格的な人口回復が証明されたというより、開発チームが復帰の兆候を確認していると捉えるのが適切だろう。
それでも、シーズン2で実現した月1キャラクター配信は、格闘ゲームとしては非常に速いペースだ。ケンシロウのような大型コラボに加え、歴代キャラクター、ステージ、楽曲、バランス調整を継続的に投入できれば、ゲームに戻るきっかけは確実に増えていく。
シーズン3でも同様の更新速度を維持できるのか。そして、復帰したプレイヤーを一時的な話題で終わらせず、対戦環境に定着させられるのか。
『餓狼伝説 CotW』にとって、ここからの数か月が重要な期間になりそうだ。



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